こんにちは。代表の須田です。
今日は僕がメディカルフィットネスを始めようと思ったきっかけについて話していこうと思います。
少し長くなります🙇
大学3年生、ある病院での実習の時の話です。
僕は理学療法士になるため大学に通っており、病院での「臨床実習」というものに参加していました。
臨床実習では実際に現場で働いている理学療法士の先生とペアになって患者さんを担当し
退院までをサポートする、という形でした。
実習ではありましたが、実際に患者さんを担当するという初めての経験でした。
僕が担当させて頂いたAさんは、脳梗塞を患い、身体に麻痺が残ってしまったため
回復期病院に入院し、自宅に帰る為のリハビリを毎日頑張っていました。
担当の理学療法士の先生とAさんの必死の努力もあり
最初は立つこともままならない状態だったのが、退院が近づくにつれてなんとか杖なしでも歩くこともできるようになり
僕自身、リハビリテーションの大切さとおもしろさを目の当たりにしました。
いよいよ退院の日です。
Aさんがご家族と一緒に病院を出られるということで
担当の理学療法士の先生と一緒に玄関までご挨拶に行きました。
Aさんは大粒の涙を流して泣いていました。
僕は「退院できて嬉しいんだ。本当によかった。」と思いました。
ただ、Aさんが口にしたのは意外な一言でした。
「不安です。」
もちろん、退院できる喜びはあったと思います。
ただそれ以上に
「今後はこの病院でリハビリが受けられない」
「また何かあったらどうしよう」
「この先はどうしたらいいのだろう」
という不安があったのだとそこで初めて気がつきました。
医療機関では【日常生活への復帰】というものが一つのゴールになっています。
なので、病院では「日常生活に必要な動作」ができるようにリハビリを行います。
例えば、ベッドから起き上がる、椅子から立つ、歩くなど。
病院内のリハビリは「身体機能の回復」に重きを置いているので上記のような基本的な動作を中心に練習します。
ただ、
その方の生活のリアルな場面に即した動作を完全にカバーすることは正直、難しいです。
どうしても環境的な制約や時間的な制約などがあるからです。
医療機関で集中的にリハビリを受けられる期間にも制限がある、ということを僕はそこで初めて知りました。
こういった、病気やケガの後に継続してリハビリを必要としているにもかかわらず
制度や環境の制限でリハビリを継続できず十分なリハビリを受けられない人々、
いわゆる「リハビリ難民」が、日本には少なくとも30万人くらいいるそうです。
その現状を知り、
「こういった方々をサポートできる場所があったらいいのに」と考えるようになりました。
そして理学療法士として約8年働く中で、その思いはますます強くなっていきます。
多くの患者さんと接する中で、
「もう少し長く時間をかけられたら…」
「もう少し早く来てくれていたら…」
そう感じることが少なくなかったからです。
実際に、健康のために始めた運動で方法を間違え、かえってケガをしてしまう方。
病院である程度回復したものの、自己流のトレーニングで無理をして再び病院に戻ってきてしまう方。
医療の枠の外には、こうした「健康不安」を抱える人がたくさんいるのだと気づきました。
だからこそ、医療現場で培った知識や技術を、病院を出た後の人たちのためにも活かしたい。
そう思い、改めてフィットネスについても学び直し、健康運動指導士の資格も取得しました。
「予防・回復・維持・増進」
この一連の流れを切れ目なく支えられるのが、メディカルフィットネスだと考えています。
これが、僕がこの事業を始めようと思ったきっかけです。