「太っている=体に悪い」とよく言われますが、実は脂肪の“つく場所”によってリスクは大きく変わります。
今回は、「同じ太っているのに、なぜ内臓脂肪型の人の方が危険なのか?」をわかりやすく解説します。
人の体には、脂肪がつく場所によって大きく2つのタイプがあります。
お尻や太ももなど、体の外側に脂肪がつくタイプです。
いわゆる“洋梨型”の体型で、女性に多く見られます。
このタイプは脂肪が皮膚の下にあり、臓器から離れた場所にあるため、健康リスクは比較的低いとされています。
見た目は気になっても、内臓の働きに大きな影響を与えにくいのが特徴です。
一方で、お腹の中に脂肪がたまる“リンゴ型”の体型。
男性に多く、腸や肝臓のまわりに脂肪がつくのが特徴です。
この“内臓脂肪型”こそが、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病につながるリスクを高めます。
内臓脂肪は、お腹の奥——つまり**腸のまわりの「腸間膜」**と呼ばれる部分にたまります。
腸間膜は、腸を支えたり血管を通したりする重要な膜です。
そのため、脂肪が増えると腸や肝臓、心臓などの臓器のすぐそばに“脂の層”ができるような状態になります。
これが、体の中での“圧迫”や“代謝の乱れ”を生みやすくします。
食事でとったエネルギー(糖や脂質)を使いきれないと、体は「あとで使うために」脂肪として蓄えます。
その貯蔵庫の一つが、内臓のまわりです。
しかし、現代の生活では——
運動不足
食べすぎ・飲みすぎ
睡眠不足やストレス
これらが重なることで、**エネルギーを“ため込みやすい体”**になってしまいます。
結果として、内臓のまわりの脂肪がどんどん増えていくのです。
ポイントは、「脂肪そのもの」ではなく「脂肪が出す物質」にあります。
内臓脂肪は、実はただのエネルギーの塊ではありません。
“アディポカイン”というホルモン様の物質を分泌しています。
脂肪が増えると、炎症を起こす物質(IL-6やTNF-αなど)を多く出すようになり、
体の中が常に“プチ炎症”の状態になります。
この炎症が続くと、次のようなことが起こります。
炎症によってインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、
血糖値が下がりにくくなります。
これが、糖尿病の始まりです。
炎症は血管の内側にもダメージを与え、高血圧や動脈硬化を進行させます。
いわば、体の中でじわじわと“サビ”が進んでいるような状態です。
内臓脂肪が増えると、脂肪が肝臓にも流れ込み、脂肪肝を引き起こします。
放っておくと肝機能が低下し、将来的には肝硬変のリスクにもつながります。
体の中で常に炎症がくすぶり続けている「静かな火事」のような状態。
これが、生活習慣病の大きな引き金になるのです。
少し怖い話をしましたが、実は内臓脂肪は減りやすい脂肪でもあります。
食事・運動・睡眠を整えることで、早ければ数週間でも変化が出てきます。
特に有酸素運動や、腹圧を高める体幹トレーニングは効果的です。
| 洋梨型(皮下脂肪型) | リンゴ型(内臓脂肪型) | |
|---|---|---|
| 主な部位 | お尻・太ももなど | お腹の中(腸間膜まわり) |
| 見た目 | 下半身太り | お腹がぽっこり |
| 健康リスク | 低い | 高い(糖尿病・高血圧など) |
| 改善のしやすさ | 時間がかかる | 比較的落としやすい |