最近LIVETにご入会された方の中で、
THA(人工股関節全置換術)術後の方が何人かいらっしゃいました。
手術は問題なく終わり、
日常生活も一応は普通に送れている。
それでも、皆さん共通してこんなことをおっしゃいます。
「長く歩くと腰が疲れる」
「歩き方に違和感がある」
「股関節というより、腰がつらい気がする」
実際に歩き方を見せていただくと、
ある“共通点”がありました。
まずは、歩いている中で
とても重要な一瞬を知ってください。

この図の赤枠で示される
「立脚後期(Terminal stance)」は、
片脚で体を支えながら
後ろ脚で地面をグッと蹴って
次の一歩の勢いを作る
いちばん“前に進む力”を生む場面です。
ここで本来よく働くのが、
お尻の筋肉
股関節の動き
つまり
👉 股関節から後ろに伸びて、体を前へ運ぶ
という動きです。
THA術後の方では、よくこんな状態が起きます。
股関節が後ろに伸びにくい
お尻に力が入りにくい
すると体はどうするか。
別の場所を使って、無理やり歩こうとします。
股関節があまり動かない代わりに
骨盤や腰が大きく回る
歩き方になります。
一見すると歩けているように見えますが、
実はこれは、
👉 骨盤で股関節の代わりをしている状態
です。
本来、
股関節がやるはずの仕事を
腰や骨盤が毎歩代わりにやっている
これが続くと、
腰がねじれ続ける
筋肉が休めない
長く歩くほど腰がつらくなる
という状態になります。
THA術後で
「股関節は順調と言われているのに、腰が痛い」
という方の多くは、ここが原因です。
この歩き方を見て、よくある指導が
「骨盤を動かさないようにしましょう」
「体幹をしっかり固めましょう」
ですが、
骨盤だけを止めても根本は解決しません。
なぜなら、
股関節が使えないままだからです。
本当に必要なのは、
股関節をもう一度使えるようにすること
お尻で地面を蹴る感覚を取り戻すこと
つまり、
❌ 骨盤を止める
⭕ 股関節を取り戻す
という考え方です。
そこでおすすめなのが
キックバックというシンプルな運動です。
腰を反らさない
骨盤を大きく動かさない
お尻に力が入る感覚を感じる
「脚を高く上げる」よりも、
👉 足の裏で天井を押し上げるイメージ
が大切です。
この運動は、
骨盤を安定させたまま
股関節だけを後ろに動かす
お尻をしっかり使う
という、
歩行の立脚後期を切り取った運動だからです。
つまり、
歩く前のリハーサル
股関節に「本来の仕事」を思い出させる運動
になります。
左右それぞれ10回
1日1〜2セット
大事なのは回数よりも、
お尻に効いているか
腰が疲れていないか
を感じながら、丁寧に行うことです。
THA術後の歩行で大切なのは、
歩けるかどうか
ではなく
どこで動いているか
を見ること。
骨盤を無理に抑えるより、
股関節に仕事を返す。
それが、
腰痛予防
歩行の安定
長く歩ける体
につながる、いちばんの近道です。
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